糸の切れた風船が
虹を目指して
空高く飛んでいった
時を忘れて
眺めているうちに
いつのまにか
日は傾き
影法師が
ひとつ
今も残る面影に
胸が少し痛む
それでも
時計の針は
静かに進んでゆく
夜になると
心が少し
ひんやりする
だけど
置いてきぼり同士で
語り合えば
悲しみも
やわらいで
楽しい時間が
流れていく
そしてまた
ふと
思い出す
あの
遠くへ消えた風船を
追いかけたい気持ちを
胸にしまい
そっと
夜空を
見上げてみる
歌うような月明かり
踊るような星たち
まるで
「大丈夫」と
語りかけるように
頬を
やさしく撫でてくれる
瞳を閉じて
体を
そっと抱きしめる
すると聞こえる
広い宇宙が奏でる
静かな夜想曲
こんな不思議な夜は
透き通っている
遠くへ行った風船を
懐かしみながら
忘れないと
つぶやく
ぼくに寄り添う
きみ
もう少しだけ
ここにいて
思い出を語ろう
まだ
一緒にいよう